乳児期は片手ずつしか使わなかったのが、左右を同時に使ったり、別々に使ったり、片手は物を支えて反対の手を動かすなど、両手を複雑に使うように発達してきます。両手を自然に使えることで複雑な活動を行うことができるのです。
成長するにつれて、滑らかにひじを曲げたり、前腕を内側や外側に動かしたり、腕を体の真ん中を越えて反対側に動かすこと(交差する手の動き)ができるようになります。
例えば、ボールあそびはどのぐらいの力で投げたらどのぐらい飛ぶのかといった手の力の調整力を学べます。大きさや重さの違うボールを使うと、よりいっそう力の調節を意識できます。また、ままごとあそびは片手で持って、反対の手で操作する機能を育てます。包丁や容器、おたまなどを使い、両手をいろいろに使います。夏祭りあそびでのヨーヨーすくいやあひる人形すくいなどのすくう遊びは腕を外に回す動きを促します。
目の働きには、一点を見ること、両眼で近づいて離れる物を見ること、動く物を追うこと、急に現れた対象物に視線を移動してみること、などの動きがあります。幼児期にはまだ十分できませんが大きくなるにつれて、だんだん首を動かさなくとも目だけで動かすことができてきます。これは、文字を書いたり読んだりするのに必要な機能です。
ボールを転がすと上から下、左右や前後に転がるようなおもちゃで遊ぶことは目の動きを促します。ブランコに乗りながら周りの景色を見ることも同じような刺激を与えます。
少し先の話になりますが、鉛筆の持ち方についてお話します。鉛筆を指先で持つためには手の平にあるたくさんの筋肉を働かせる必要があります。それによって指先が向かい合うような動きができてきます。そのためには、大きな蓋をあけるなど指を広げて持つような動きや親指と人差し指でつまむ遊びが役立ちます。